年齢を重ねると歯の色が変わる!?加齢による歯の変色、その対処法とは

「以前に比べて、歯の黄ばみが気になるようになった」そう感じる事はありませんか?「昔は歯が白かったのに…」という方は、加齢によって歯が変色しているのかもしれません。加齢によって歯が変色するメカニズム、その対策方法について、解説したいと思います。

加齢による歯の変色_画像1

1.加齢による歯の変色のメカニズム

歯も年をとります。本来、エナメル質の下の層「象牙質」は、淡いクリーム色をした組織です。象牙質は、肌の老化と同じように、新陳代謝が低下する事により徐々に色が濃くなってくる場合があります。

また歯は、毎日食べ物を噛んだりすり潰したりしているので、表面のエナメル質は、年齢と共に擦り減って薄くなってきます。エナメル質は透明感があるため、エナメル質が薄くなると、象牙質の色が透けて見えやすくなり、歯が黄ばんでみえるようになります。

まとめると、加齢による歯の変色は、

  • 象牙質の色が濃くなる事
  • エナメル質が薄くなる事

この2つの原因が重なって起こっているのです。

加齢による歯の変色_画像2

2.その他の歯の変色の原因

変色の原因は、加齢以外にもいくつか考えられます。「年をとったから歯が黄ばんだ」と感じている方でも、加齢そのものが原因では無く、年月の経過と共に「虫歯の増加」「詰め物や被せ物の劣化」「外因性の着色」などが起こり、黄ばみの原因となっている事があります。

歯の変色の原因を、歯の内側から起こる「内因性」の変色と、着色など歯の表面で起こる「外因性」の変色に分けて解説していきます。

(1)内因性による変色

歯の内側から起こる変色です。加齢による歯の変色は、この「内因性の変色」の一種です。加齢以外が原因となる変色を挙げていきたいと思います。

  • 神経が死んでしまった歯

    虫歯が大きくなり歯の神経まで到達してしまい、神経を抜く治療を行った場合や、ぶつけるなどの外傷により歯の神経が死んでしまうと、歯は内側から変色を起こします。
    神経を抜くと、同時に歯の内部にある血管組織も取り除く事になります。血が通わなくなる事により、象牙質に含まれるコラーゲンが劣化し、歯が黒ずんできます。また、外傷により歯の神経が死んでしまった場合は、歯の内部の神経や血管が損傷して、壊死してしまう事により、象牙質が黒ずんできます。

    通常のホワイトニングでは、歯を白くする事ができません。歯の内部に漂白剤を入れて歯を白くする「ウォーキングブリーチ」が効果的です。

  • テトラサイクリン歯

    テトラサイクリン歯は、生まれつきの歯の変色です。永久歯の形成時期(出生直後〜8歳頃まで)にテトラサイクリン系抗生物質を服用すると、体内に取り込まれたテトラサイクリンが象牙質の中に沈着して、歯に変色を起こします。

    テトラサイクリン歯の変色は軽度のものから重度のものまで幅があります。テトラサイクリン歯の歯質は、白くなりにくいため、ホワイトニングを行っても思うような効果が現われない事があります。特に中程度〜重度の変色は、ホワイトニングによる効果が薄いため、人工歯を装着して対応する事もあります。

(2)外因性による変色

着色など歯の表面で起こる歯の変色です。

  • 着色が付きやすい飲食物による変色
    タバコやコーヒー、お茶、色の濃い飲食物を摂取すると、歯に着色が付きやすくなります。着色は、最初は黄ばみ程度でも、蓄積されると歯は茶色く変色していきます。軽い着色であれば、歯の表面のクリーニングで、歯を本来の白さに戻す事ができますが、着色がエナメル質に浸透してしまっている場合には、ホワイトニングが必要です。
  • 詰め物や被せ物の変色によるもの
    虫歯の治療を行い、詰め物や被せ物をしている場合、経年により劣化を起こして、変色する事があります。特に保険内治療で使われるレジン(プラスチック)は、経年劣化を起こしやすい材料です。歯自体は変色を起こしていなくても、詰め物や被せ物が変色を起こして、歯の色が汚く見えてしまう事があります。
    詰め物や被せ物を作り替えて対応します。
  • 虫歯の進行による変色
    虫歯は、黄色から茶色、黒色に変化していきます。悪化するほど濃い色に変色し、虫歯が神経にまで到達すると、神経が壊死してしまい、歯の内側からも変色を起こします。できるだけ早く、虫歯の治療をする事が大切です。

3.加齢による歯の変色には、ホワイトニングがおすすめ!

加齢による歯の変色は、内側から起きている変色なので、歯みがき等のセルフケアで白くする事は難しいです。歯の漂白効果がある「ホワイトニング」がおすすめです。
加齢による歯の変色には、歯科医院で施術を行う「オフィスホワイトニング」、自宅でマウスピースを装着して行う「ホームホワイトニング」、どちらも効果的です。

(1)オフィスホワイトニング

歯科医院で、ホワイトニング剤を歯面に塗布し、専用のライトを照射して、歯を白くする方法です。「過酸化水素」を主成分とした薬剤を使います。
オフィスホワイトニングは、即効性があるのが特徴です。効果の程度は個人差がありますが、1回の施術でホワイトニング効果を感じる事ができます。

(2)ホームホワイトニング

歯科医院で自分専用のマウスピースを作製し、自宅でマウスピースを装着して、歯を白くする方法です。一般的に「過酸化尿素」を主成分としたホワイトニング剤を用います。過酸化尿素は分解されると「過酸化水素」になるため、基本的には、オフィスホワイトニングと同じ成分です。当院では、効果の高い「過酸化水素」のホームホワイトニング薬剤を処方しています。
ホームホワイトニングは、オフィスホワイトにイングと比べて、低濃度の薬剤を使用するため、白くするのに時間がかかります。ただし、ゆっくりじっくりと白くしていくので、白さが後戻りしにくいというメリットがあります。

加齢による歯の変色_画像3

4.その他の対処法

ホワイトニングには、個人差があります。加齢による歯の変色は、ホワイトニングの効果が現われやすいですが、変色の原因が他にもあるなど、歯の状態によっては、思うような効果が現われない事もあります。なかなか白くならない時には、人工物で色を修復する次の方法があります。

(1)ラミネートベニア

歯の表側を0.5mm程度に薄く削り、そこに薄いセラミックのシェルを貼付けて、歯を白く見せる方法です。セラミックは、透明感があり、天然の歯のような色を再現できるため、仕上がりはとても自然です。

(2)ダイレクトボンディング

色を治したい歯の部分を削り、そこにペースト状のセラミックを充填し、光で固めます。ラミネートベニアは、歯の表面全体に貼付けるのに対し、ダイレクトボンディングは、歯のどこの部位にも適用する事ができます。歯の部分的な変色に有効な方法です。

(3)セラミッククラウン

歯を全周にわたって削り、セラミックでできた被せ物を装着して、歯を白く見せる方法です。セラミックなので、自然の歯のような仕上がりになります。噛み合わせの影響や、歯ぎしりなどの癖の影響で、ラミネートベニアが適用できなかったケースに有効な方法です。

いずれも、歯を削って、人工物で補う治療法です。健康な歯は削らないのに越した事はありません。最初にホワイトニングを試していただき、その後の歯の状況によって、歯科医師とよく相談の上で、これらの方法に切り替えていく事をおすすめします。

5.まとめ

いかがでしたでしょうか。加齢による歯の変色は、「加齢によって象牙質の色が濃くなる事」「加齢によってエナメル質が擦り減って薄くなる事」この2つの原因が重なって起こります。
加齢による歯の変色には、オフィスホワイトニング/ホームホワイトニング、いずれも効果的です。個歯の変色の原因が他にもあるなど、ホワイトニングで十分な効果がでない場合には、歯を削って、歯を美しく見せる人工物で補う治療法を行う事をおすすめする場合もあります。

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