ポリリン酸ホワイトニングって白くなるの?ポリリン酸ホワイトニングのすべて

ホワイトニングの種類で「ポリリン酸」を使った方法が、話題になっています。最近増えているこの方法、「ポリリン酸」を使ったホワイトニングには、どのような効果があるのでしょうか?また、本当に効果はあるのでしょうか?ポリリン酸ホワイトニングの効果や注意点などを合わせて、詳しく解説したいと思います。

ポリリン酸ホワイトニング_画像1

1.ポリリン酸ホワイトニングとは

ポリリン酸ホワイトニングは、「ポリリン酸ナトリウム」を使って行うホワイトニングの事を指します。ホワイトニング薬剤「過酸化水素」に、「ポリリン酸ナトリウム」を混ぜたものを使用する方法です。

(1)ポリリン酸ナトリウムの安全性

ポリリン酸とは、化合物のリン酸が多数結合してできた物質です。その一種であるポリリン酸ナトリウムは、変色防止などの目的で、食品添加物とし使用されており、厚生労働省が安全性を認めているので心配入りません。
歯磨き粉や洗口剤などに含まれている事が多い安全な物質です。洗剤中にも含まれる事があり、着色物を除去する作用があります。

(2)ポリリン酸を配合する理由

ポリリン酸自体は、歯の漂白効果はありませんが、歯の汚れを落とし、歯の表面にステインや歯石がつくのを防止する効果があります。
ホワイトニング剤に、ポリリン酸を配合する事で、過酸化水素の薬剤単独で得られるホワイトニング効果に加えて、ポリリン酸によって得られる効果を二重に得る事ができます。

また、ポリリン酸を配合する事によって、過酸化水素の濃度を下げて、ホワイトニング時に現われやすい痛みを軽減させる目的があります。
過酸化水素の濃度が下がるので、もちろんホワイトニング効果は弱まります。まれに、「ポリリン酸ホワイトニングは、通常のホワイトニングよりも白くなる」というような宣伝文句を見かけますが、根拠はどこにもありません。

ポリリン酸ホワイトニング_画像2

2.ポリリン酸ホワイトニングの特長 

ポリリン酸ホワイトニングには、次のような特長があります。ポリリン酸によって得られる効果については、使用するホワイトニングシステムや歯の状態によって個人差があります。

  • リーズナブルな価格
    ポリリン酸ナトリウムは非常に安価なので、ポリリン酸ホワイトニングの料金もリーズナブルな価格設定をしている歯科医院が多いです。その分、過酸化水素の濃度は低くなっています。
  • ホワイトニング中や術後に痛みを感じる事が少ない
    過酸化水素の濃度が低くなるため、歯に伝わる刺激が弱くなります。術中や術後に痛みを感じる事が少なくなります。
  • 歯の表面がコーティングされて、着色しづらくなる
    ポリリン酸ナトリウムには、歯の汚れを落とし、歯の表面にステインや歯石がつくのを防止する効果があります。
  • ホワイトニング直後でも、食事制限が無い
    ポリリン酸には、歯のコーティング効果があるため、ホワイトニング後の食事制限が必要ありません。
    通常のホワイトニングの場合は、ホワイトニング後24時間は、歯の表面の保護膜(ペリクル)が剥がれているため、着色しやすくなっています。色がついている食べ物を避けるなど、食事に注意しなくてはなりません。

ポリリン酸ホワイトニングには、これらの特長がありますが、使用するホワイトングシステムや歯の状態によって個人差があります。

3.ポリリン酸ホワイトニングのデメリット

ポリリン酸を配合したホワイトニングは、メリットばかりではありません。次のようなデメリットがありますので、知っておきましょう。

(1) ホワイトニング効果が弱くなる

ポリリン酸ホワイトニングは、通常より過酸化水素濃度が低くなるため、その分ホワイトニング効果が弱くなります。ポリリン酸が作用するのは、歯の表面のみです。歯自体を漂白する効果はないので、ホワイトニング効果が増す事はありません。
「歯を白くすること」を目的として行うホワイトニングにおいて、歯を白くする効果が弱くなってしまうのは、大きなデメリットとなります。

(2) ホワイトニングを行う歯科医院の全てで実施していない

ポリリン酸ホワイトニングを希望していても、ホワイトニングを行っている歯科医院全てで、行っているわけではありません。
当院では、ホワイトニング効果を重視しているため、ポリリン酸を配合したホワイトニングは行っていません。
ポリリン酸を配合していなくても、痛みを軽減する工夫として、ホワイトニング後の痛みを軽減させるため、必ずしみ止めの薬を塗布するなどして対応しています。また、ホワイトニング後の着色を防止するため、ホワイトニング成分配合の歯みがき粉の取り扱いをしています。

4.過酸化水素を使わない「ポリリン酸ホワイトニング」に注意!

ポリリン酸ホワイトニング_画像3

最後に、過酸化水素を使わない「ポリリン酸ホワイトニング」を解説します。時々「ポリリン酸ホワイトニング」を行っていると宣伝しているサロンやエステがあります。しかしそれは、過酸化水素を使ったホワイトニングではありませんので、歯を白く漂白する効果はありません。歯科医院で行う「ポリリン酸ホワイトニング」とは、全く異なるものなので注意しましょう。

(1)セルフホワイトニングについて

サロンやエステで行っているのは、「セルフホワイトニング」という形式のホワイトニングです。セルフホワイトニングとは、近年広がっているホワイトニング方法で、セルフホワイトニング専用のサロンやエステに出向き、自分自身で施術を行う方法です。自分自身で施術を行う事から「セルフ」という言葉が使われています。
医師・歯科医師・歯科衛生士以外が、お口の中の施術をする事は、法律で認められていません。セルフホワイトニングは、自分自身で施術を行う事で、医療機関以外の所でもホワイトニングを行う事ができるようにした“抜け道”とも言えるホワイトニング方法です。

(1)歯科医院のポリリン酸ホワイトニングとの違い

サロンやエステのような歯科医療機関以外の所では、過酸化水素を使ったホワイトニングを行うことは違法となっています。過酸化水素が配合されていないので、歯の漂白効果はありません。
セルフホワイトニングで使われるホワイトニング剤には、ポリリン酸以外に、酸化チタンや重曹など市販で購入可能な成分を配合している事もありますが、いずれも歯の漂白効果はありません。

(2)セルフホワイトニングのポリリン酸ホワイトニングの効果

ポリリン酸が含まれていても、歯の内部までは漂白する事はできません。歯の表面に付着した着色汚れを除去し、汚れを付きにくくします。“歯のホワイトニング”では無く、“歯のクリーニング”だと考えるとわかりやすいです。歯の汚れを除去して、歯を“本来の白さ”に戻す事から“ホワイトニング”という言葉が使われています。
セルフホワイトニングでも、歯科医院のようにライトを照射する事がありますが、ポリリン酸にライトを照射しても、何の作用もありません。

5.まとめ

いかがでしたでしょうか。「ポリリン酸ホワイトニング」とは、ホワイトニング薬剤「過酸化水素」に「ポリリン酸ナトリウム」を混ぜて使用するホワイトニング方法です。歯のホワイトニングを行いながら、ポリリン酸の歯の汚れを落とし、歯の表面にステインや歯石がつくのを防止する効果を得る事ができます。

しかし、ポリリン酸自体にホワイトニング効果は無く、ポリリン酸を配合する事で、過酸化水素の濃度が低くなる事から、「歯を白くする効果」は弱まってしまいます。通常のホワイトニングよりも白くなる事はありませんので、覚えておきましょう。

関連記事