歯のクリーニングについて分かりやすく解説。頻度,料金,保険適用,セルフケア方法などを紹介

歯を美しく健康的に保つためには「歯のクリーニング」が必要不可欠です。「歯のクリーニング」というと“歯をきれいにする”というイメージはあるものの、どういったものか詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。
今回は、歯のクリーニングについて、クリーニングの頻度、料金、保険適用、セルフケア方法について、細かく解説していきたいと思います。

画像1歯のクリーニングについて分かりやすく解説

1.歯のクリーニングとは

歯のクリーニングとは、虫歯や歯周病の原因となる歯の表面の歯石や歯垢を除去する“歯のお掃除”の事です。歯の表面に付着した多少の着色も同時に除去する事ができます。ほとんどの場合、保険内で診療が可能です。“歯を白くする”ホワイトニングと混同される事があるので注意しましょう。

主なクリーニング方法には、表面の細かな歯垢(プラーク)を除去する“PMTC”と歯石を除去する“スケーリング”があります。

(1)なぜ歯のクリーニングが必要なのか

毎日の自宅のケアでは足りない部分を補うのが、歯科医院で行う「歯のクリーニング」です。歯のクリーニングでは、自分では除去しきれない「歯垢」、自分では除去できなくなった「歯石」を除去していきます。

毎日、丁寧に歯磨きをしていても、歯ブラシだけでは、歯垢の除去率は全体の60%程度です。デンタルフロスや歯間ブラシといった清掃補助用具をきちんと使っている方でも全体の80%程度しか取れていない事が分かっています。つまり、残りの20%の歯垢は、自分でケアしているだけでは除去できないという事です。歯垢は付着したままになると、虫歯や歯周病の原因になります。定期的に歯科医院で除去する事が大切です。
また、歯石になってしまった汚れは、自分では除去する事ができません。歯科医院で専用の器具を使って除去する必要があります。

歯のクリーニングについては、インスタグラムでも解説していますのであわせてご覧ください。

 

(2)歯のクリーニング方法

a.PMTC

PMTCとはプロフェッショナル・メカニカル・ティース・クリーニングの略で、歯科医院で、専用の器械を使って専門的に行う歯のクリーニングの事を指します。普段の歯磨きでは除去しきれない歯垢や着色汚れ、細菌を取り除き、虫歯や歯周病を防ぐ事ができます。軽め〜普通程度の着色汚れなら、PMTCで除去する事ができます。歯そのものは白くなりません。
施術時間は30分〜1時間程度です。歯科医院で使う専用の器械というと、歯を削る器械をイメージする方も多いですが、PMTCで使う器械は、ハンドピースの先にブラシやシリコンのチップが付いたものなので、歯を削る時のような不快感は全くありません。痛みも無いので安心して施術を受ける事ができます。

b.スケーリング

スケーリングとは、歯石除去の事を指します。歯石というのは、歯垢が唾液の成分により石灰化して固まったものです。自分では除去する事ができませんので、定期的に歯科医院でスケーリングを受ける必要があります。
おおまかな歯石は超音波スケーラーで除去し、細かな歯石は手用スケーラーという専用の器具を使って、手で1本1本除去していきます。

施術時間は、歯石の付着程度によります。歯茎の上に付着する乳白色の“縁上歯石”であれば、超音波スケーラーを使って30分程度で除去する事ができます。超音波ではじくようにして歯石を取るので、歯を削るような痛みはありません。超音波の刺激が強い場合には、歯科医師/歯科衛生士に伝えて力を弱くしてもらいましょう。
歯茎の下(歯周ポケット内部)に付着した赤褐色/黒色の“縁下歯石”は、手用スケーラーで1本1本除去しなくてはならず。6回以上かかる事もあります。縁下歯石が付いている場合には、歯周病が進行している可能性が高いので、継続的に歯周病治療が必要になるケースが多いです。歯茎の中を触る時に痛みがある場合がありますが、表面麻酔や局所麻酔をして施術する事が可能です。

クリーニング方法については、インスタグラムでも解説しています。

(3)クリーニングの効果/メリットは?

クリーニングを行う事で得られる効果/メリットをまとめると次のようになります。

a. 口腔内が清潔になる

自分では除去しきれない歯垢や歯石が取れるので、口腔内が清潔になります。

b. 汚れが付きにくくなる

PMTC後は、普段は取れない歯の表面の汚れが取れ、ツルツルとした状態になります。しばらくの間、歯垢などの汚れが付きにくくなります。

c. 虫歯や歯周病、口臭の予防になる

磨き残しの歯垢や歯石を除去する事で、虫歯や歯周病、口臭の予防になります。また、定期的にクリーニングを受ける事で、定期検診として虫歯や歯周病のチェックを行う事ができるので、虫歯や歯周病の早期発見につながり、問題があっても悪化する前に早めに対処する事ができます。

d. 着色汚れが取れて、見た目が美しくなる

歯垢や歯石を除去すると同時に、着色汚れも取れ、見た目が美しくなります。見た目が美しくなると、口を開ける事にも抵抗が無くなり、思い切り笑えるなど精神的にも良い事がたくさんあります。歯や口に対する健康意識が高まるのも良いですね。歯そのものの色をさらに白くしたい場合には、ホワイトニングがおすすめです。

画像2歯のクリーニングについて分かりやすく解説

クリーニングの効果・メリットは、インスタグラムでも解説していますので、あわせてご覧ください。

(4)歯のクリーニングはどのくらいの頻度で行えば良いのか

適切な頻度は、お口の状態によっても異なるので一概には言えませんが、目安として、3か月に1度は歯のクリーニングを受ける事をおすすめします。
3か月ほど経つと、ほとんどの方が、磨き残しの汚れが溜まり、歯石が付いてきます。虫歯や歯周病、口臭の原因になりますので、クリーニングを受けるようにしましょう。お口の清掃状態が良く、問題が無い方でも最低6か月に1度は、定期検診と合わせてクリーニングを受ける事をおすすめします。

次に詳しく説明をしていきますが、自費で行う歯のクリーニングでは、自分の希望の頻度で歯のクリーニングを受ける事ができます。着色が特に気になる方、口臭が気になる方は2か月に1度、タバコを吸う人や糖尿病の可能性がある人、歯茎からの出血が時々ある人は1か月に1度など、通える範囲で短い間隔でクリーニングを受けるようにすると、よりお口の中を健康に美しく保つ事ができます。

(5)歯のクリーニングの料金について

歯のクリーニングは、目的によって保険が適用か適用外かに分かれます。病気の治療を目的としてのクリーニングは健康保険が適用されますが、審美目的のクリーニングは健康保険が適用外となります。

a.保険適用の場合

歯周病の診断をもとに、治療を目的とした場合に適用されます。歯石除去から歯磨き指導までの一連の治療の中で、歯のクリーニングを保険内で行います。治療の一環として行うため、通常複数回の通院が必要になります。費用は3000円前後です。

b.保険適用外の場合

着色汚れの除去を目的とした場合は、病気の治療では無く審美目的のため、保険適用外となります。また、予防のみを目的とした場合も、保険適用外となります。費用は、自費になり5000円から20000円程度で歯科医院によって様々です。保険のルールに縛られないので、自分がクリーニングを受けたいタイミングで、希望するペースでクリーニングを受ける事ができます。

クリーニングの頻度と料金については、インスタグラムでも解説しています。

2.自宅でできるセルフケア方法

(1)ブラッシング

セルフケアで最も重要なのは、毎日のブラッシング(歯磨き)です。毎日のブラッシング無くしては、健康で美しいお口と歯を維持する事はできません。
毎日食後に、きちんとブラッシングをする習慣をつけましょう。洗面台で慌ててブラッシングをする習慣がある人は、きちんと汚れが取れていない事が多いです。1日1回は、座って時間をかけて磨くのがおすすめです。
お口の中の状態は、人それぞれです。適したブラッシング方法も人によって違いますので、できれば一度歯科医院で、ブラッシング指導を受け、自分に合ったブラッシング方法を習得するようにしましょう。

(2)歯間清掃

歯ブラシだけでは、全体の6割程度の汚れしか除去する事ができません。そこで大切なのは、歯間ブラシやデンタルフロスといった歯間清掃用具を使う事です。歯間清掃用具を使う事で、歯垢の除去率はアップし8割から9割程度になります。虫歯や歯周病、口臭予防に効果的です。

画像3歯のクリーニングについて分かりやすく解説

3.まとめ

いかがでしたでしょうか。「歯のクリーニング」は、歯を美しく健康に保つために必要不可欠です。歯に付着した歯垢・歯石を除去し、虫歯や歯周病、口臭の予防になるだけでなく、歯の表面の着色汚れを落とす事ができます。
「歯のクリーニング」を定期的に受けて、美しく健康な歯を維持していきましょう!

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