妊婦さんができるホワイトニング、やってはいけないホワイトニング

ホワイトニング専門歯科「ホワイトニング東京」院長の富岡です。当院によくある質問の一つが「妊婦でも歯のホワイトニングはできますか?」というものです。
歯のホワイトニングがより身近になってきた現在、妊婦さんでも「歯を白くしたい」と思う方もいるでしょう。特に、結婚式を挙げる予定の方は、結婚式に向けて歯を白くしたいけど妊娠中にホワイトニングをしていいのか不安を抱えていると思います。

ホワイトニングの中には、薬剤の胎児への影響などから、控えた方が良い方法もあります。
今回は、妊婦さんができるホワイトニング方法、やってはいけないホワイトニング方法について詳しく解説したいと思います。

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1.妊婦さんがやってはいけないホワイトニング

妊娠中は、オフィスホワイトニングやホームホワイトニングは、いずれも控えた方が良いとされています。
ホワイトニング薬剤の成分である「過酸化水素」「過酸化尿素」は、妊娠中だけなく、出産後の授乳中も使用しない方が無難です。

(1)ホワイトニング薬剤の影響が確認されていない

ホワイトニング薬剤の妊婦さんへの影響は、実は医学的には解明されていません。ホワイトニングが原因で、母体や胎児に影響があった例は報告されていませんが、“安全”だという保障も今のところありません。
ホワイトニング薬剤が体内で分解されて、母体や胎児にどのような影響があったのか、調べようが無いのでわからないのです。ホワイトニング薬剤の影響が確認されていない以上は、ホワイトニングは避けるべきだと言うことになります。

(2)妊娠初期に気がつかずホワイトニングをしてしまった場合

妊娠初期にホワイトニングをしてしまった場合でも、それほど神経質にならなくても大丈夫です。妊娠が判明する前に、1回のホワイトニングをしてしまったとしても、母体や胎児に何らかしらの影響があったとは考えにくいです。
考えすぎてストレスを感じるのはかえって良くありません。あまり気にしないようにして、妊娠がわかった後は、ホワイトニングは行わないようにしていきましょう。

(3)市販のホワイトニンググッズも注意!

日本では、薬事法により「過酸化尿素」「過酸化水素」が配合されたホワイトニンググッズは販売されていません。
しかし、最近ではインターネット通販等で、海外製品が簡単に手に入るため、ホームホワイトニングキット、ホワイトニング歯磨き粉などを、自分で購入する事ができます。
中には、「過酸化尿素」や「過酸化水素」が配合されているものも販売していますので、使用しないようにしましょう。含まれている成分が不明なものも、使用しない方が良いでしょう。

妊婦さんのホワイトニングについては、インスタグラムでも詳しく解説しています!

 

2.妊婦さんができるホワイトニング

妊娠中は、歯の漂白効果がある「過酸化水素」「過酸化尿素」を使用する事ができないので、歯の色自体を白くするホワイトニング治療はできません。しかし、歯の表面の着色汚れなどを落とし、歯を本来の白さに戻す「クリーニング」は可能です。

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(1)PMTC

歯科医院で行う事ができる「PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・ティース・クリーニング)」は、自分では落としきれない歯垢や歯石、着色汚れを落とす事ができるクリーニング方法です。妊娠中は、口腔内環境が変化し、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。PMTCは着色汚れを落とすと共に、虫歯や歯周病の予防にもなるので、妊婦さんの歯の健康を守るためにもおすすめの方法です。

(2)ホワイトニング歯磨き粉

「ホワイトニング歯磨き粉」として市販されているものは数多く存在します。配合されている成分も様々です。ホワイトニング歯磨き粉の中でも、歯の表面の着色汚れ(ステイン)を除去し、色素の沈着を抑えるタイプのものなら使用可能です。代表的な成分として、ポリリン酸やメタリン酸があげられます。
しかし、海外製品には「過酸化尿素」が配合されているものあるので、注意が必要です。使用する際には、歯磨き粉の成分を十分に確認するようにしましょう。成分がよくわからないような製品は使用するべきではありません。

また、「ホワイトニング歯磨き粉」と言われているものには、研磨剤が多く配合されているものがあります。むやみに使用すると、歯の表面を傷つける可能性があるので、妊娠中に限らず注意が必要です。
妊娠中使用できる「ホワイトニング歯磨き粉」を購入の際は、できるだけ歯科医院で相談して購入しましょう。

(3)歯のマニキュア

歯のマニキュアは、爪に塗るマニキュアのように、歯に液を塗り、一時的に歯を白く見せるものです。手軽に歯を白くする事ができ、ホワイトニングができない妊婦さんでも歯を白くできます。歯のマニキュアは、歯や体内に影響があるものは使わないので、安心です。妊娠中、結婚式をする場合など、その日だけでも歯を白くしたい場合におすすめです。

(4)着色しやすい飲食物を控える

施術方法とは少し異なりますが、日頃から着色しやすい飲食物を控える事で、歯の白さを維持する事ができます。
着色しやすい飲食物には、コーヒーやお茶類、醤油やソースなどの調味料、カレーやミートソースなど濃い色の食事、ブリーベリーやぶどうなどが挙げられます。
また、それ自体は着色の原因にならなくても、着色を助ける働きがある「着色補助食品」を同時に摂取しない工夫も必要です。着色補助食品には、炭酸飲料、お酢、柑橘類などが挙げられます。
妊婦さんの場合は、つわりの時期など、歯みがきがどうしても疎かになってしまう事があります。歯みがきがしっかりと出来ていないと、着色しやすくなるので、食生活習慣を見直す事も大切です。

妊婦さんでもできる歯の色のケアについて、インスタグラムでも詳しく解説しています!

 

3.妊娠中、気をつけたい歯の健康

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(1)妊娠中の歯の健康

妊娠中、歯の白さ・美しさが気になる事もあるかもしれませんが、それ以上に気をつけたいのは「妊娠中の歯の健康」です。
妊娠中は、身体に様々な変化が起こるように、お口の中の環境も変化します。細菌が溜まりやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。また、妊娠の時期に増える女性ホルモンの影響で、妊娠性歯肉炎を引き起こす事があります。
生まれてくる赤ちゃんの歯の健康のためにもお口の中の環境を整えておく事が大切です。妊娠期間中は、“歯の見た目の美しさ”よりも、一旦“歯の健康を保つこと”に重点を置いても良いかもしれませんね。

(2)妊婦歯科検診

多くの歯科医院で妊婦歯科検診を実施しています。自治体によっては、妊婦歯科検診の無料券などを配布しています。妊娠中、一度は歯の検診を受けるようにしましょう。また、安定期であれば一般的な虫歯治療なども可能です。赤ちゃんが生まれて忙しくなる前に、ご自身のお口のケアや治療を行ってみてはいかがでしょうか。

 

4.まとめ

いかがでしたでしょうか。妊娠中は、「過酸化水素」や「過酸化尿素」が使われるオフィスホワイトニング・ホームホワイトニングは、控えた方が良いとされています。ホワイトニング薬剤の影響が確認されていないためです。
妊娠中は、歯を漂白するホワイトニングはできませんが、歯の表面の着色汚れを落とし、歯を本来の白さに戻す「クリーニング」は可能です。
妊娠中でもできる方法をまとめると次の4点になります。

  • 歯医者さんのクリーニング「PMTC」
  • ホワイトニング歯磨き粉
  • 歯のマニキュア
  • 着色しやすい飲食物を控える

いずれも、注意点をしっかり守って、歯の白さを保っていきましょう。
歯の見た目の美しさも気になりますが、妊娠中は“歯の健康を保つこと”がとても重要です。妊婦歯科検診を利用して、歯の美しさだけでなく、歯の健康を保っていけると良いですね。

当院のホワイトニング

記事内で解説したように、ホワイトニング薬剤の妊婦さんへの影響が、医学的に解明されていないため、母体や胎児に影響があった例が報告されていなくとも、“安全”だと言い切ることはできません。

また、妊娠中・授乳中は、精神面や肉体面からも不安定な時期ですので、恐れ入りますが当院ではホワイトニングの施術をお断りさせていただいております。

出産後、授乳期間を過ぎましたら、ホワイトニングをご相談ください。

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