オールセラミックの値段・メリット/デメリットなどを徹底解説

歯を美しく見せる歯科材料に「セラミック(陶器)」という素材があります。オールセラミック治療は、本物の歯に近い素材感で、見た目に美しい歯を入れる事ができる人気の治療法です。今回は、オールセラミック治療のすべてを徹底解説していきます。

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1.オールセラミックとは

オールセラミックとは、金属を一切使用せず、セラミック(陶器)のみでできた歯の被せ物(詰め物)の事を指します。全体がセラミックでできていて、本物の歯と見分けが付かないほど自然な見た目を手に入れる事ができます。

セラミックは、プラスチックなどと違って、透明感を作り出す事ができる材料です。自然の歯にある透明感を再現できるので、とても自然な仕上がりとなります。目立つ前歯の治療や笑った時に見える歯の治療におすすめです。

オールセラミックの基本的な情報をインスタグラムでも解説しています。あわせてご覧ください!

2.保険適用になるのか?

オールセラミックは、自費治療となります。
健康保険は、病気の回復のための最低限の治療に適用されるものですので、高度な技術を伴う治療や、審美目的の治療は含まれません。
自費治療の場合は10割自己負担となるので、治療費は高額になります。ただ、医療費控除の対象となるケースも多いです。

<医療費控除とは>

医療費控除とは、自分自身や家族のために、1年間で10万円以上の医療費を支払った場合に、払いすぎた所得税が還付される制度です。確定申告の時に申請をする必要があります。
オールセラミック治療は、医療費控除の対象となる場合と、そうでない場合があります。容貌の美化のみを目的とした治療や、一般的に支出される水準を著しく超える高額な治療は医療費控除の対象になりません。
基本的に生活に絶対必要となる歯の欠損や機能の治療を目的とするものであれば、自費診療であっても医療費控除の対象となります。対象となる場合が多いので、事前に歯科医師に確認しておくようにしましょう。

3.オールセラミックでできる治療法の種類と費用の相場

自費治療の費用は、各歯科医院で決めるため、歯科医院によって費用が異なります。都心部にいくほど価格は少し高くなる傾向にあります。ここでは、オールセラミック治療法の種類と費用の相場について詳しく解説していきたいと思います。

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(1)オールセラミックインレー(詰め物)

セラミックのみで作られた詰め物です。1本あたりの相場は3万円〜5万円です。インレーは、噛み合わせ面がある奥歯の虫歯治療でよく行われる治療法です。奥歯といっても前から4番目5番目にあたる小臼歯は、お口を開けた時や笑った時に、前から見える事も多く、場合によっては目立つ事もあります。オールセラミックインレーであれば、詰め物をしている事に気が付かないほど自然です。

(2)オールセラミッククラウン(被せ物)

セラミックのみで作られた被せ物です。1本あたりの相場は、8万円〜15万円です。
オールセラミッククラウンは、内側の「フレーム」と「表面のセラミック」の2重構造になっています。フレームが金属でできたクラウンもあり、「メタルボンドクラウン」といわれます。オールセラミッククラウンは、「フレーム」と「表面のセラミック」両方共セラミック製になります。
オールセラミッククラウンは、メタルボンドクラウンと比較して、光の透過性があり、より自然の歯に近くなります。金属を使わないので、歯ぐきが黒ずむ心配もありません。

・オールセラミックブリッジ
ブリッジとは、複数の歯を連結した被せ物のことを指します。歯を失った場合でも、失った歯の両隣の歯を土台として、橋を渡すように被せる事で、失った歯の部分を補う事ができます。オールセラミックブリッジは、連結している歯の数によって、費用は高くなります。
費用の目安は、オールセラミッククラウンの価格×連結している歯の本数です。

(3)ラミネートベニア

ラミネートベニアとは、前歯の表面を薄く削り、セラミック製のラミネートベニアを貼付ける治療法です。付け爪のようなものをイメージするとわかりやすいと思います。1本あたりの相場は5万円〜15万円です。
ホワイトニングで白くならないテトラサイクリン歯などの変色や、歯と歯の隙間の改善に有効な治療法です。クラウンと比較して、歯を削る量が少なくて済むのがメリットです。ただし、噛み合わせが強い場合など取れてしまう場合がありますので、噛み合わせの状態によっては適応とならない事もあります。

オールセラミックの各治療の費用などについては、インスタグラムでも解説しています。

4.オールセラミックのメリット

(1)見た目が自然で美しい

オールセラミックは、本物の歯と見分けがつかない質感や透明感があります。周囲の歯との色合わせも細かく指定できるので、周りに馴染んだ自然な仕上がりにする事ができます。

(2)経年による劣化が少ない

プラスチックなどの素材は、着色や経年劣化による変色等が目立ちますが、オールセラミックは、汚れが付きにくく、変色しにくいので、長期間美しさを保つ事ができます。また、汚れが付きにくいので、お口の中を衛生的に保つ事ができます。

(3)金属アレルギーの心配が無い

オールセラミック治療の場合、金属を使用していないので、金属アレルギーの人でも安心です。
お口の中に長期間金属があると、金属イオンが徐々に唾液中に溶け出します。今現在金属アレルギーが無くても、流出した金属イオンが、少しずつ体に蓄積して、金属アレルギーになる可能性もありますが、オールセラミックなら大丈夫です。
また、金属イオンの流出によって起こる歯ぐきの黒ずみも、オールセラミックなら心配入りません。

(4)二次虫歯や歯周病のリスクが減る

セラミックは、表面に汚れが付きにくい素材なので、周囲に汚れが溜まりにくいのが特徴です。二次虫歯や歯周病のリスクが減ります。口臭も発生しにくくなります。

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オールセラミックのメリットについては、インスタグラムでも解説しています!

5.オールセラミックのデメリット

メリットの多いオールセラミック治療ですが、デメリットもあります。

(1)費用が高い

一番のデメリットは費用が高い事です。例えばオールセラミッククラウンなら相場は、8万円〜15万円程度です。保険のクラウン治療が数千円でできる事を考えると、高価であるという事がわかると思います。
確かに費用が高くはなりますが、歯は体の一部でもあります。劣化が少なく耐久性が良い点、虫歯や歯周病のリスクが減る点、審美的である点などを踏まえると、高価であるだけの価値があるように思います。

(2)金属よりも強度が弱い

セラミックは陶器と同じ素材なので、金属よりも強度が弱く、力のかかり方によっては割れてしまう事があります。決してすぐに割れてしまうわけではありませんが、歯ぎしりや食いしばり等の癖がある方は、力のかかる奥歯への使用は不向きである事もあります。事前に歯科医師とよく相談するようにしましょう。

6.オールセラミック治療はこんな人におすすめ!

審美的に美しく、機能面にも優れているオールセラミック治療をおすすめしたいのはこのような方です。

  • 現在入っている歯が気に入らないという方
    保険診療で入れた歯が気に入らない方は、セラミックの材料に作り替えるのもおすすめです。保険診療では、上下6本の前歯は、表面がプラスチック素材でフレームが金属の被せ物、小臼歯・大臼歯は、銀歯になります。プラスチック素材は、のっぺりとした人工的な色なので、偽物である事がすぐにわかってしまいます。また、奥歯でも前から4番目と5番目の小臼歯は、口を開けた時や笑った時に目立つ事があります。銀歯が見えやすい位置なので、気になる方はセラミックの材料に作り替えると、審美的にとても良くなります。
  • 金属アレルギーが心配な方
    現在金属アレルギーがある方、またアレルギー体質で金属アレルギーが心配な方は、金属を全く使わないオールセラミック治療がおすすめです。
  • 歯の変色が気になる方
    抗生物質の影響で変色を起こしている「テトラサイクリン歯」や、「神経の無い歯の黄ばみ」が気になる方など、ホワイトニングで白くなりにくかった歯質の方でも白い歯にする事ができます。

7.まとめ

オールセラミック治療は、本物の歯と区別がつかない質感や透明感で、美しい歯を手に入れる事ができる治療です。
お口を開けた時や、笑った時に白く美しい歯が見えるのは、印象が良いものです。歯全体を白く美しくしたい場合には、オールセラミック治療と、ホワイトニング治療を組み合わせる方法もおすすめです。

ホワイトニング治療で、歯全体のトーンを明るくし、ホワイトニングで色が変わりにくい色調の歯(テトラサイクリン歯)や神経の無い歯には、オールセラミック治療を行う事で、白く美しい自然な歯を手に入れる事ができます!

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